悲惨な末路を迎えた韓国大統領10位：崔 圭夏（チェ・ギュハ）さん

出典：http://www.wowkorea.jp/

 

名前：崔圭夏（チェ・ギュハ）

生年月日：1919年7月16日

出身地：現･江原道原州市鳳山洞

任期：1979年12月8日 – 1980年8月16日

 

1979年10月26日に朴正煕が暗殺され、大統領権限代行となり、金鍾泌が大統領選出に頑なに断ったことで、第１０代大統領に就きました。1979年2月6日に大統領に就任し約8ヶ月間在任した、歴代韓国大統領では最も短い任期です。就任時には早期の改憲と民主化を約したものの、戒厳令下で殆どその職務を全うすることが出来ず、全斗煥の粛軍クーデターを追認することになります。

 

悲惨な最後は遂げていない大統領の一人ですが、在任期間が最も短く、しかも自らの意思とは関係なく大統領職に就き自らの意思に関係なく辞任してしまったので、「影の薄い大統領」の汚名を後に受けてしまいます。韓国の大統領経験者は在任中に暗殺されたり亡命、本人や親族の逮捕投獄・自殺といった結末が多い中では、大統領退任後も国政諮問会議議長を務めるなど、一応難を逃れてはいます。

 

退任直後には国会の光州事件特別委員会の出席要求や任意同行命令などを拒否したので、刑事告発されその後に不起訴処分されています。現在は親の介護などを晩年注力したことから、再評価は多少あるようです。

 

 

悲惨な末路を迎えた韓国大統領9位：尹潽善（ユン・ボソン）さん

 

出典：https://www.jiji.com/

 

名前：尹潽善（ユン・ボソン）

生年月日：1897年8月26日

出身地：現･忠清南道牙山市

任期：1960年8月13日 – 1962年3月22日

 

独立後初代のソウル市長として政界入りし、商工相・大韓赤十字社総裁を経て民主党最高委員になり、1960年7月29日の第五代国会議員選挙で3選、4.19革命で李承晩が失脚・亡命したことにより、両院の合同会議で大統領に選出されました。しかし翌1961年5月16日に5・16軍事クーデターが発生し、クーデター軍からの要請もあって、大統領の座に一時的にとどまりますが、翌年3月に軍政が制定した政治活動浄化法に抗議するため辞任することになります。

 

大統領辞任後は野党の指導者として2度朴正煕に挑戦するなどし、軍事政権への抵抗と民主化運動に取り組むなど、政権を批判する立場で活動していました。第二共和国憲法により民主的な社会を作り出すべく、議院内閣制により大統領の権限を限りなく小さくするなど、韓国の政治を変えようと努力したのですが、第二共和国憲法より民主化されたことにより、結局1961年のクーデターによって政権を奪取されることになっています。

 

辞任後、韓国は軍部が非常に強い権力を掌握し、冷戦下で米ソの影響をその後に受けていくことになります。民主的平和な国家を目指そうと志し、失脚した意味では不運な大統領ですね。

 

 

 

悲惨な末路を迎えた韓国大統領8位：李 明博（イミョンバク）さん

出典：https://cdn.mainichi.jp/

 

名前：李明博（イミョンバク）

生年月日：1941年12月19日

出身地：日本大阪府

任期：2008年2月25日 – 2013年2月24日

 

父親の李忠雨は1929年から大阪府の島田牧場で働いていたので、日本生まれとなっています。終戦直後の1945年10月に一家は密航船に乗って朝鮮半島に引き上げ、高校卒業後、ソウルの梨泰院に家族全員で移住しています。2007年12月大統領選挙で48.7%の得票を得て大統領に就任しました。日本での通名は月山 明博です。

 

現代建設の財閥系企業出身者で、予備選挙期間にソウル道谷洞の土地投機絡みで告訴されるなど、就任前から色々と疑惑が持たれていた大統領です。また最も関心の薄い大統領選挙であったため、支持率も低迷し、韓米関係を強化した上で北朝鮮に関してより厳しい政策を実行する強硬路線で知られています。

 

しかし、米国産牛肉の全面的な輸入再開方針を決定したことをきっかけに、国内世論は不支持にまわり、リーマン・ショックによる世界同時不況とそれに伴う景気悪化、株価下落や急激なウォン安などで、韓国経済は急速に悪化しました。米国と日本との関係も綱渡りの状況が続き、２０１８年に収賄、背任、職権乱用の罪で逮捕されています。結果的には、産業界との癒着、官庁との癒着などにより、真偽不明でも国民感情で罪を被せられた元大統領と言った感じですね。

 

 

 

 

悲惨な末路を迎えた韓国大統領7位：朴槿恵（パククネ）さん

出典：https://i2.wp.com/

 

名前：朴槿恵（パククネ）

生年月日：1952年2月2日

出身地：現・大邱広域市中区三徳洞

任期：2013年2月25日 – 2017年3月10日

 

2013年に韓国史上初の女性大統領に就任した、保守政党のハンナラ党代表でもあった人で、キリスト教カトリック教会に改宗し、「ユリアナ」という洗礼名を授かるカトリック信者です。就任式の演説で「経済復興」,「国民幸福」,「文化隆盛」を掲げ、低迷する韓国経済を立て直す政策を打ち出しました。北朝鮮が核を放棄し、平和と共同発展の道に進むことを願いながら、「韓半島信頼プロセス」を通して朝鮮半島の発展を掲げ、、アメリカ、中国、ロシアからも、一定の支持を取り付けていました。

 

韓国が堅持してきた国家中心の発展モデルからの脱却を、政策の中心においていたのが特徴です。また非常に強い親米路線を打ち出し、対米外交に積極的で、反対に日本の政権に対してはやや強硬路線で、後にその強い親米路線が、中国とロシアから反感を買うことになっています。の出自と手法から「独裁者の娘」と批判されもし、またその外交は風見鶏のような悪評も立つようになりました。

 

しかし、そうした危うい政策と根本的な経済対策の遅れの上に、セウォル号沈没事故への対応不備や崔順実ゲート事件など一連の不祥事が発覚、2017年3月10日に大統領弾劾が成立して罷免されてしまうことになります。検察側は懲役30年、罰金1185億ウォンを求刑し、「ミル財団」や「Ｋスポーツ財団」への大企業に対する拠出強要、大手財閥のサムスングループやロッテなどからの収賄なども疑惑が持たれています。韓国では、政界に対して深く産業界の影響力が強いため、結局財界によって弾劾された大統領になってしまいました。

 

 

 

悲惨な末路を迎えた韓国大統領6位：朴正煕（パクチョンヒ）さん

出典：https://upload.wikimedia.org/

 

名前：朴正煕（パクチョンヒ）

生年月日：1917年11月14日

出身地：現：亀尾市

任期：1963年12月17日 – 1979年10月26日

 

第18代大統領、朴槿恵の父親として知られ、職業軍人として日本国籍のまま1940年に満州国の首都新京の満州国陸軍軍官学校に合格、、日本の陸軍士官学校に留学して、当時の日本軍に在籍していた頃があります。945年8月15日の日本の降伏時は第八団の副官を務めていました。1960年4月に大韓民国初代大統領、李承晩が四月革命によって失脚した後、学生たちの騒乱の後に、軍事クーデターを起こし、反共産主義、親米政策、腐敗と旧悪の一掃、経済再建などを掲げます。

 

しかしこの政策は、アメリカ国内で張勉政権を支持する反クーデター派をクーデター支持の中央情報局（CIA）が制したお陰による、米国側の思惑によるものだと言われています。当時の米国は国内でも反共産主義、通称「赤狩り」が行われていました。約30年間にわたって『漢江の奇跡』と呼ばれる高度経済成長が実現できたのも、こうした米国追従の結果だと言われています。

 

1972年の改憲で大統領任期と重任制限を撤廃することで永久執権を図ろうと画策、民主化運動をスパイ操作・司法殺人などを痛烈に批判し、徐々に独裁色を強め、1979年10月26日、大規模な民主化デモの鎮圧を命じた直後、側近である金載圭情報長官により暗殺され、死亡しています。非常に米国の諜報機関と通じていた大統領とも、現在は評価されることもありますね。

 

 

悲惨な末路を迎えた韓国大統領5位：盧泰愚（ノテウ）さん

出典：https://encrypted-tbn0.gstatic.com/

 

名前：盧泰愚（ノテウ）

生年月日：1932年12月4日

出身地：現：大邱広域市東区新龍洞

任期：1988年2月25日 – 1993年2月24日

 

軍人出身の大統領としては、歴代最後の大統領になります。1987年、高まりつつある民主化要求に対し、次期大統領候補として「オリンピック終了後、然るべき手段で信を問う用意がある」と、6･29民主化宣言を打ち出し、1988年2月25日に第13代大韓民国大統領に就任しました。前大統領であった全斗煥政権時代の不正容疑を徹底追及し、対立していた金泳三・金鍾泌を与党に取り込むなど国政の安定をはかった大統領です。

 

1990年5月15日の日本人記者団との懇談形式での会見で、改めて日韓関係の戦後処理問題に触れたことでもよく知られています。それは用日姿勢と呼ばれ、日本のような経済大国が韓国に歩み寄るべきであるといった姿勢を打ち出していました。

 

しかし、1995年に政治資金隠匿が発覚し拘束され、一審で無期懲役の判決を受け1995年11月16日にソウル拘置所に収監されることになります。後粛軍クーデター・光州事件の再捜査で、最高裁判所は懲役17年、追徴金2688億ウォンを宣告されることになってしまいました。未納追徴金２３１億ウォンは現在でも徴収中など、その罪は死ぬまで代償を払う形になっていますね。

 

 

悲惨な末路を迎えた韓国大統領4位：全斗煥（チョンドゥファン）さん

出典：https://www.jiji.com

 

名前：全斗煥（チョンドゥファン）

生年月日：1931年1月18日

出身地：慶尚南道陜川郡栗谷面内川

任期：1980年8月27日 – 1988年2月24日

 

朴正煕がクーデターを起こすと、陸軍士官学校の生徒を率いて支持を表明し、功績が認められて最高会議議長秘書官になったことで、いわゆる軍事政権支持にまわり、朴正煕暗殺事件が起きると、暗殺を実行した金載圭を逮捕・処刑するなど暗殺事件の捜査を指揮にまわります。戒厳司令官鄭昇和大将を逮捕し、実権を掌握した後に、朴正煕の経済政策を引き継ぐ一方で大規模な体制改革を実施し、大統領となって韓国の民主政治の礎を築きました。

 

日中国交正常化していた日本国政府を仲介役にして、中華人民共和国が韓国を国家承認しながら、同時に北朝鮮を日本にも国家として認めさせる政策を打ち出しています。しかしこの政策が、国際世論の支持を取り付けることが出来ず、1987年の北朝鮮の工作員金賢姫らによる大韓航空機爆破事件が起きたことで、南北の関係は悪化します。また法改正である種の言論統制をしき、金大中を含む野党側の政治家を逮捕また軟禁し、大統領になる以前に非常戒厳令を全国に拡大させたりもしています。

 

しかし、対日姿勢は朝鮮半島が日本の領土となったことは、朝鮮半島側にも責任があるといった発言が物議を醸し、これが強烈な反日感情を韓国に植え付けるきっかけとなりました。経済的には非常に韓国経済は上向きでしたが、大統領退任後に自ら財団による利権介入などが発覚し親族が逮捕されるに至り、光州事件や不正蓄財疑惑への追及が止まずに追起訴、死刑判決が下っています。

 

 

悲惨な末路を迎えた韓国大統領3位：李承晩（イスンマン）さん

出典：https://upload.wikimedia.org/

 

名前：李承晩（イスンマン）

生年月日：1875年3月26日

出身地：現・黄海南道峰泉郡

任期：1948年7月20日 – 1960年4月26日

 

1919年上海に設立された大韓民国臨時政府の国務総理に推され、その流れで初代大統領に就任した人です。朝鮮独立のための統一戦線として左右両翼を糾合するという、中国指導の独立運動に貢献し、第一次世界大戦終結以後の、朝鮮半島における統治機構の指導者でした。第二次世界大戦勃発後、1945年8月15日に日本が降伏し、その後連合国首脳によるヤルタ協定に基づき、朝鮮半島は北緯38度線を境界に分断、アメリカ軍政開始直後のソウル政界で主導権を握り、その独裁色を強めて行きました。

 

結果的には、後の朝鮮戦争勃発における米国との関係で、圧倒的な朝鮮人民軍を前に敗北を喫し、首都ソウルは陥落、米国は大統領を見捨てる形となり、独善的な反共・反日路線を展開したわりには、朝鮮半島を混乱に陥れた悪人とされてしまいます。

 

1960年選挙では極端な不正選挙を実施して4選を勝ち取るも、国民の支持を完全に喪失して、未就任のまま下野し、ハワイに亡命、1965年に９０歳で死亡しています。結果的に、冷戦を強めることになった朝鮮戦争で、米国の期待を裏切る形で、国を追われた大統領ということになってしまいました。

 

 

 

 

悲惨な末路を迎えた韓国大統領2位：金大中（キムデジョン）さん

出典：https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp/

 

名前：金大中（キムデジョン）

生年月日：1924年1月6日

出身地：現：全羅南道新安郡荷衣面後広里

任期：1998年2月25日 – 2003年2月24日

 

野党政治家として朴正熙大統領と対立し、韓国の軍事的政権から民主政治に切り替えようと画策した大統領です。朴正煕の片腕だった金鍾泌と手を結び、また度重なる敗北を逆手に取り「準備された大統領」をキャッチフレーズに大統領選を戦い、、米国のヘッジファンドを主とした、機関投資家による通貨の空売りが発端だった、アジア通貨危機による韓国経済立て直しをスローガンにしていました。1998年、小渕恵三内閣総理大臣と日韓共同宣言を発表し、韓国でそれまで禁止されていた日本文化開放を推し進め、国家安全企画部（旧・中央情報部）を廃止し、権限や機能を大幅に縮小した国家情報院を大統領直属機関として新設するなど、大改革路線を追求します。

 

また北朝鮮に対しては「太陽政策」呼ばれる、首都平壌で金正日国防委員長との南北首脳会談を実現させ、韓国人唯一のノーベル賞受賞者となりました。しかしそうした政策の大転換も虚しく、韓国経済は低迷し、002年の任期末に3人の息子である金弘一、金弘業、金弘傑による不正蓄財が発覚し、国民へ謝罪しています。2009年7月13日に三たび持病の肺炎を患い、その後多臓器不全で死去しています。

 

この大統領の不幸は、大統領就任前から、何度も命を狙われ、日韓関係も良好だったが、その評価が韓国では否定的になってしまった点ですね。その結果、かえって韓国の国粋主義を強めてしまったという批判が今日では根強いようです。また財界との癒着疑惑もあり、ノーベル平和賞受賞も国内評価が低くなっているそうです。

 

 

悲惨な末路を迎えた韓国大統領1位：盧武鉉（ノムヒョン）さん

出典：https://blogimg.goo.ne.jp

 

名前：盧武鉉（ノムヒョン）

生年月日：1946年9月1日

出身地：現：金海市

任期：2003年2月25日 – 2008年2月24日

 

1988年同郷の統一民主党総裁、金泳三推薦で第13代国会議員選挙に出馬して当選し、大統領に就いた人です。歴代韓国大統領としては、最後が本当に悲壮な大統領で知られています。歴代大韓民国大統領で最初の日本統治時代を経験していない世代の大統領して誕生し、高い国民の支持を得て大統領職に就任した直後から、与党の新千年民主党は国会では少数派だったために、多勢野党の激しい猛批判を受けることになっています。

 

全羅道を基盤とする金大中派と盧武鉉を中心とする主流派との間で与党内抗争が激化し分裂、与野党共に大統領選挙における不正資金疑惑が浮上し、韓国世論は国政への信頼をなくしました。また、イラクに韓国軍を派遣したことが支持者の猛反発を受けることになり、急速に支持率は急落し、政権幹部の失言などが追い打ちをかけてしまいます。

 

2004年3月9日に野党であるハンナラ党、新千年民主党は、党利党略で大統領の弾劾訴追を発議し、賛成多数で可決、大統領職務を停止、憲法裁判所により大統領弾劾訴追が棄却され、職務に復帰するも、政治の混乱でついには、死に体政権となってしまいました。2008年2月大統領を退任し、親族がかかわった不正献金疑惑で捜査中、2009年5月23日に自宅近くの裏山から投身自殺を遂げています。最初から最後まで党利党略に振り回され、肝心の政策を前に進めず、最後は夢も希望も失って自ら命を断つという運命になってしまったんですね。

 

 

 

 

末路が悲惨な韓国の大統領ランキングについてのまとめ

 

こうしてみると、韓国の政治は第二次世界大戦後、まもなく勃発した朝鮮戦争の混乱がずっと継続し、先進国の思惑や軍事などで、悪影響を受けなら今日まで来ているのがよくわかります。現在、南北は対話を重視していますが、平和な朝鮮半島は一体いつ訪れるのでしょうか。