元韓国大統領の朴槿恵(パク・クネ)氏は、韓国史上初の女性大統領という輝かしい歴史を作りながら逮捕ののち弾劾・罷免され、現在は収監中です。
今回は朴槿恵氏が犯した罪など何したか、逮捕・懲役刑など現在をまとめました。
この記事の目次
朴槿恵(パク・クネ)のプロフィール
韓国初の女性大統領で、初の弾劾・罷免後の逮捕となった朴槿恵
朴槿恵氏(以下、パク・クネ)は、暗殺された親日派の大統領・朴正煕(パク・チョンヒ)氏の娘です。
ハンナラ党元代表として、「ハンナラ党のジャンヌ・ダルク」「選挙の女王」と呼ばれ、保守派から絶大な支持を得ており、韓国史上初の女性大統領として注目を集めました。
しかし、友人の女性事業家・崔順実(以下、チェ・スンシル)氏が実質の政策を担い、収賄や政権を私物化した「崔順実ゲート事件」という不祥事を起こしてしまいます。
このことにより、2017年3月10日に初の大統領弾劾が成立し、罷免・逮捕されました。
2017年4月6日に懲役24年の実刑判決を受けて、現在もソウル拘置所で収監中となっています。
パク・クネ氏についての詳しいプロフィールはこちら。
生年月日: 1952年2月2日
出身地: 大韓民国慶尚北道大邱市三徳洞(現・大邱広域市中区三徳洞)
政党: (ハンナラ党→)(韓国未来連合→)(ハンナラ党→セヌリ党→)(自由韓国党→)無所属
出身校: 西江大学校電子工学科
引用:Wikipedia – 朴槿恵
朴槿恵は逮捕されるまで何したのか?① 親友・崔順実との出会い
朴槿恵と黒幕・崔順実との出会いとは?
パク・クネ氏が「崔順実ゲート事件」で逮捕されるまでの経緯を説明する上で、まずは朴家と崔家の関係から触れる必要があります。
パク・クネ氏の父親で5~9代大統領を務めたパク・チョンヒ氏は、1973年頃にチェ・スンシル氏の父親である崔太敏(以下、チェ・テミン)氏と知り合いました。
チェ・テミン氏は元々政治家ではなく牧師、呪術師、シャーマンで、1970年代に仏教・キリスト教・天道教を総合した振興宗教「永世教」の開祖となった人でした。
1974年、パク・チョンヒ氏の夫人だった陸英修(以下、ユク・ヨンス)氏が暗殺されました。
その際、チェ・テミン氏が大統領府(青瓦台)に宛てて「ユク・ヨンス氏の霊から娘(パク・クネ氏)の助けになるように言われた」という旨の手紙を出したといいます。
これがきっかけで、チェ・テミン氏はパク・チョンヒ氏から大統領府(青瓦台)に招かれるようになりました。
パク・クネ氏が初めてチェ・テミン氏に会った際、なんと気絶してしまい、その夢の中で母親の霊から「チェ・テミン氏はお前を助けてくれる」と言われたそう。
この件以来、父親のパク・チョンヒ氏とともにパク・クネ氏は全面的にチェ・テミン氏を信頼するようになりました。
チェ・テミン氏はパク・チョンヒ氏が暗殺されて政権を終える1979年まで、青瓦台に自由に出入りして政策に色濃く影響を与えており「韓国のラスプーチン」と呼ばれていました。
チェ・テミン氏はパク・チョンヒ氏にとって、基督教の既存勢力を抑える防波堤となる一方で、自らが暗殺される要因を作った存在でもありました。
この頃にパク・クネ氏は、チェ・テミン氏の娘だったチェ・スンシル氏とも会うようになりました。
朴槿恵は逮捕されるまで何したのか?② 崔親子を巡る色恋沙汰
朴槿恵は崔太敏と熱愛、崔順実の夫と不倫していた?
パク・クネ氏とチェ・テミン氏は、一緒に部屋に入ると一日中出てこないという噂があったそうです。
そのため、パク・チョンヒ氏を暗殺した元側近で大韓民国中央情報部(KCIA)の部長だった、金載圭(以下、キム・ジェギュ)氏がパク・チョンヒ氏に情報を提供しました。
パク・チョンヒ氏は、直接パク・クネ氏とチェ・テミン氏を呼び寄せて話を聞くことに。
2人の答えは「私たちは霊的な繋がりのある家族や夫婦のようなもので、肉体関係のような浅ましい話をするな」というもので、パク・チョンヒ氏も納得しました。
この話は世間では、「パク・クネ氏の唯一の彼氏はチェ・テミン氏だった」として、色恋沙汰の話として盛り上がっていたようです。
そして、密告したキム・ジェギュ氏に対していい加減な噂を知らせたとパク・チョンヒ氏が叱責したことが、見限られて暗殺を企てるきっかけになった、と言われています。
また、パク・クネ氏にはチェ・スンシル氏の夫との不倫の噂もありました。
崔太敏氏と朴正煕氏が親密だったこともあり、娘の朴槿恵氏を取り巻く崔順実氏と元夫の鄭允会(チョン・ユンフェ)氏、さらに崔太敏氏をめぐる噂は昔からありました。私が韓国に留学した1980年代後半でも、特に朴槿恵氏と崔太敏氏の根拠なき与太話が酒場で飛び交うほどでした。権勢をほしいままにした朴正煕の娘であり、陸英修氏亡きあとはファーストレディの代役を務めるなど国民的人気もあった朴槿恵氏は、それだけでも特別視される存在だったのです。崔順実氏に関しては、元夫である鄭氏が朴氏の元側近であり、2年前にも旅客船セウォル号沈没事故の当日に「朴氏と鄭氏が密会していた」という根拠のない噂が広がり波紋を呼びました。
パク・クネ氏とチェ・スンシル氏の夫、鄭允会(チョン・ユンフェ)氏が不倫をしていたのか、はたまたチェ・テミン氏の時のような「霊的な繋がり」だったのかは分かりません。
しかし、こうした噂はパク・クネ氏のイメージを大きく損なう結果となりました。
朴槿恵は逮捕されるまで何したのか?③ 大統領となる
親子2代で韓国大統領の座に就いた朴槿恵
パク・クネ氏は、チェ・テミン氏とチェ・スンシル氏の後ろ盾を得て、ハンナラ党代表やセヌリ党非常対策委員会委員長を務めます。
そして、2012年の大統領選挙にて新政党民主統合党の候補、文在寅(以下、ムン・ジェイン)氏との一騎打ちに勝利し、2013年2月25日に韓国史上初となる女性大統領に就任しました。
しかし、6度結婚と離婚を繰り返したチェ・テミン氏の最後の妻の連れ子のチェ・スンシル氏の異父兄、趙順済(以下、チョ・スンジェ)氏はパク・クネ氏の大統領就任に猛反発しました。
朴槿恵が李明博元大統領とハンナラ党(のちのセヌリ党、現・自由韓国党)の候補者争いをした2007年、チョはハンナラ党に嘆願書を提出し、朴槿恵が崔太敏の操り人形にすぎなかったことを暴露。そんな人物が大統領になってしまうと、大きな問題が起きるだろうと訴えた。
チョ・スンジェによると、朴槿恵と崔太敏の関係は非常に深く、父・朴正熙が生きていた頃から彼女は、崔一家の自宅に入り浸っていたという。
パク・クネ氏は、母親が暗殺された悲しみに付け込まれてチェ・テミン氏を信じるようになり、長年に渡るマインドコントロールされていたと見られています。
そして、チェ・テミン氏やチェ・スンシル氏の言うことは何でも聞く”操り人形”になっていたと言われています。
そのマインドコントロールの様子を物語るような関係が、チョ・スンジェ氏の告発から分かるようです。
朴槿恵が家を訪問した際に一家と共に食卓を囲むようなことはなく、常に2人は部屋で食事を済ませた。彼女が訪問する際はあらかじめ知らせが入り、チョをはじめとする家族は人払いされ、彼女が部屋の中に入るまでその身を隠したという。
当時、チェ・テミン氏の妻は自宅にいましたが、パク・クネ氏を夫の愛人だと認めつつも大金が入るようになり、生活が豊かになっていたため目をつぶっていたようです。
パク・クネ氏が将来大統領になることを確信していたチェ・テミン氏は、自身の宗教団体を通して各方面へパク・クネ氏を全面的にバックアップするように根回しをしていたようです。
1994年にチェ・テミン氏が慢性腎不全で亡くなると、今度は娘のチェ・スンシル氏が代わりにパク・クネ氏の心の支えとなっていきました。
こうした異常な背景がありながらも、パク・クネ氏は2012年に韓国の大統領に就任し、チェ・スンシル氏の言うとおりに政治を行っていく”傀儡政権”を作り上げてしまいました。
朴槿恵は逮捕されるまで何したのか?④ 親友・崔順実と不正を共謀
収賄、機密漏洩、職権乱用の不正が暴かれた朴槿恵と親友・崔順実
韓国初の女性大統領の末路は、黒幕の女性実業家と揃って逮捕という衝撃的なものとなりました。
パク・クネ氏は、2014年4月16日の「セウォル号沈没事故」での初動の遅さや、救助活動が急務の中で愛人との7時間に渡る密会疑惑から世間の怒りを買い、著しく支持率を落としました。
そして、政府が設立に携わった2財団を、チェ・スンシル氏が私的に利用し賄賂を受け取った疑惑が浮上し、国家機密資料が入ったチェ・スンシル氏のタブレット端末が発見されたのです。
実業家という個人が国家の機密情報を握っていた事実に世間は騒然とし、パク・クネ氏は大統領としての職務のほぼすべてをチェ・スンシル氏の采配で決めていたことが明らかとなりました。
また、チェ・スンシル氏は大統領の権力を利用して、サムスングループなど韓国の大手企業から不正な賄賂を受け取っていることなど、数々の収賄容疑が明らかとなりました。
チョ・スンジェ氏の告発では、パク・クネ氏は大統領としての能力は皆無であり、「100%チェ・スンシル氏の操り人形だった」と語っています。
「仕事を一緒にやると(わかるけど)、完全な操り人形でした」
「完全に何もわかっていなかった」
「何の能力もない者が、(大統領になって)何をしようと言うんだって話ですよ」
「本当に100%操り人形。仕事に関することも全部、私に相談して、一文字も変更なくそのまま進められた」
こうした事実からも、パク・クネ氏はチェ・テミン氏に操られ始めた40年前から、すでに自分の意思では人生を生きられない操り人形で、崔一族の”金づる”にされていたことが分かります。
朴槿恵は逮捕されるまで何したのか?⑤ 親友・崔順実とともに逮捕と懲役刑に
懲役24年の実刑判決を受けた朴槿恵
パク・クネ氏とチェ・スンシル氏の求刑と判決、懲役は以下のようになっています。
2018年2月27日の公判で検察側が懲役30年、罰金1185億ウォンを求刑
↓
2018年4月4月6日にソウル中央地裁で懲役24年、罰金180億ウォン(約18億円)の有罪判決
【チェ・スンシル氏】
2018年2月2月13日にソウル中央地裁で懲役20年と罰金180億ウォン(約18億円)の有罪判決
朴槿恵の現在
パク・クネ氏は、2019年現在で67歳のため、刑期満了で出所となると91歳ということになり、獄中死する可能性も高いかもしれません。
大統領罷免後に収監されたソウル拘置所では、日本の小説家・山岡荘八氏の歴史小説を読んでいたそう。
韓国世論は「やはり親日だった」「出所後は日本で政治家をやればいい」と批判が噴出していましたが、それも叶いそうにないかもしれません。
あまりにも韓国の人は誘導されやすくて、騙されやすくて、どうしてなのか?と思います。
— さくらもみじ (@sakuramomige_) 2019年3月25日
パク・クネの時、空き家に残ってたノートブックなんてもの、誰かが捏造して置くことだって十分可能なのに、チェスンシルの指紋も取らず、なんの証拠もないのに、チェスンシルのだと決めつけたJTBCのソンソッキ
なんか報道みてると韓国の国民が可哀想に思えてくる。
— 苦心するリングマ (@masaruresta001) 2019年3月20日
韓国の政界の連中が一丸となって日本ヘイトの運動をしているのが
あまりにも愚かしい。
韓国の頭は最後、孤立して自滅する事を未だに学習していない
私はパク・クネ元大統領があてこすりされて生贄にされた印象が
今でも強く残っている。
韓国政府は反日だが国民はそうでもないなどと馬鹿言う奴がいるけど、現実を見ろと。
— 鬼平@Kickstart my heart (@onihei_san) 2019年3月19日
曲がりなりにもパク・クネと取り交わした合意等(これだけだはないが)が気に入らないと、ローソクプレイでムン・ジェイン反日政権を誕生させたのは国民の総意。
つまり反日は国民の総意。
パク・クネについてのまとめ
韓国初の女性大統領でありながら、裏で崔一族に操られ続け、最後に逮捕されたパク・クネ氏について総まとめしてきました。
・パク・クネは何の政治的能力も持たない普通の人だった
パク・クネ氏は仮に生きて出所したとしても、チェ・スンシル氏の後ろ盾がなければ政治家としての価値が無いのであれば、「日本で政治家をする」という選択肢は滑稽かもしれません。
少なくとも、現在の左派的なムン・ジェイン政権よりは外交はしやすかったと言われるパク・クネ政権。
ですが、実際はチェ・スンシル政権だったという事実には、韓国という国の歪さを象徴しているようです。