日本では以前から人口減少が叫ばれていますが、最近は韓国でも人口問題が深刻なようで、その人口推移が注目を集めています。
今回は韓国について、現在の人口と推移、人口減少の原因2つ、人口推移の日本との比較を紹介します。
韓国とは【人口密度など基本情報・国土】
韓国の基本情報
出典:https://www.excite.co.jp/
読み:テハンミングク
国土面積:約10万km²(朝鮮半島全体の45%、日本の約4分の1)
人口密度:515人/km²
GDP(名目):1兆4170億ドル
産業別人口比率:第一次産業2.3%
第二次産業37.6%
出典:https://minnkane.com/
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ソウル都市圏 2200万人〜2400万人
釜山都市圏 350万〜450万人
大邱都市圏 250万人
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- 日本と比較してみると
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東京都市圏 3500万人〜3700万人
大阪都市圏 1700万人〜1800万人
名古屋都市圏 800万人〜900万人
福岡都市圏・札幌都市圏 250万人
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日本以上に首都であるソウルに一極集中が、問題とされていますね。
韓国の国土
出典:https://japaninfo.net/
上図のように、韓国は中国大陸に位置して、北朝鮮とは国境を有しています。
山地が多く、平野部が少ないのは日本と良く似ています。
上図内、赤ライン内が日本の排他的経済水域(EEZ)で、青ライン内が韓国の排他的経済水域です。島国の日本は、約10倍の範囲があり、広いのがわかります。
韓国の現在の人口とは
出典:https://search.yahoo.co.jp/
韓国の総人口は2019年現在で、約5165万人と言われていますが、詳しい公による基礎データを紹介しましょう。
人口 約5,127万人(出典:2016年,韓国統計庁)
面積 約10万平方キロメートル(朝鮮半島全体の45%,日本の約4分の1)
宗教 宗教人口比率53.1%(うち仏教:42.9%,プロテスタント:34.5%,カトリック:20.6%,その他:2.0%)
社会・文化に儒教の影響を色濃く受ける。引用:外務省-「大韓民国基礎データ」
韓国の人口は、2019年現在まで増加傾向にあるようです。
また、男性人口は24,971,014人、女性人口は25,248,655人 (ともに2013年統計)で、総人口に占める女性の割合は50.276%です。
韓国の人口推移を紹介
出典:https://www.nikkei.com/
上図は、2019年3月に韓国統計庁が発表した、韓国の将来人口推計です。
急激な下向きカーブは日本と同様に、人口減少が急速に訪れることを意味しています。
総人口は早ければ2019年の5165万人をピークに減少に転じる。人口に占める65歳以上の高齢者の割合も65年に46%に達し、高齢化では日本を抜いて経済協力開発機構(OECD)加盟の先進国のなかで首位になる。急速な少子高齢化は韓国経済にも影響を与えそうだ。
引用:日本經濟新聞-韓国、来年から人口減に 2065年に高齢化で日本逆転
前倒ししてまで発表した人口推計は、出生率の異常な低さに対する、韓国政府の警戒感の高さが伺えます。
韓国は5年ごとに人口推計を発表している。前回発表は16年で、次回は21年に予定していた。ただ2月末に発表した18年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)が想定以上に低い0.98となり、初めて1を下回って世界で最低水準に落ち込んだことから、人口を推計し直して発表を前倒しした。
引用:日本經濟新聞-韓国、来年から人口減に 2065年に高齢化で日本逆転
ですが今回の発表では、人口減が4年早く訪れることになりそうで、人口のピークは今年で来年からは人口減少に転じるというものです。
また、ソウル大学のチョ・ヨンテ教授によると、
「ありえないことが起きている。1を下回る事態は社会の急激な変化、例えば東欧で共産主義政権が崩壊した際に起きた。ただ、1年ほどですぐ回復した」――韓国は違いますね。21年には0・86まで低下すると政府が推計しています。「他の先進国と全く違う形で進んでいる。人間の基本的な本能に生存と再生産があるが、生存できない状態では再生産も考えられない。韓国では子を産み育てる年齢層の生存が脅かされている」引用:朝日新聞 DIGITAL-1を下回った韓国の出生率
そして、総人口は2067年に3365万人まで減り、1972年の水準になるということです。
韓国の人口減少の原因2つ
少子高齢化
出典:https://www.nikkei.com/
2017年時点で、韓国の65歳以上の人口比は14%で、国連の人口推計(2015年)と比べると、日本のほぼ半分の水準にとどまっていて、OECD加盟国の中でも低い方です。
しかし、急速に高齢化が進み、2065年にはほぼ2人に1人が65歳以上となる見通しです。
生産年齢人口(15~64歳)も2017年は73%と、OECD加盟国の中で最高ですが、少子高齢化によって2065年は46%(中位シナリオ)と、日本(51%)を抜いて最低になります。
韓国の少子高齢化が急速に進む原因は、子どもを産み育てるのが難しい社会になっていることがあるようです。
15~29歳の青年失業率は2018年には9.5%に達し、若者の就職難は社会問題化しています。
経済力の問題から結婚しない人も増え、20~44歳の未婚率は男性が58%、女性は48%(2015年)です。
また、結婚しても教育費負担が重く、出産をためらう夫婦が多いことも要因と言われています。
韓国は、1990年代に日本が経験した「人口絶壁」の受難が目前に迫ってきたとも言えます。
2006年から12年間で、150兆ウォン(約15兆ウォン)を注いでも効果が見られない出生率の低下の問題を解決出来ていないことが、大きな要因であることに間違いはありません。
政府は2006年、第1次少子高齢化対策基本計画を発表した後、昨年までに152兆2千億ウォン(約15兆2200億円)を出産奨励策に投入してきた。合計出生率は2006年の1.13人から、昨年0.98人に下落し続けている。ソウル大学保健大学院のチョ・ヨンテ教授は「出産にまつわる政策が成功しなかったのは、福祉さえ充実させればいいという考えだったため。住居や教育などの環境を総合的に改善する政策への転換が必要」と話した。
引用:東亜日報-少子化の受難始まる
この問題の根本的な原因は、韓国の若者の失業率の高さや日本以上の学歴社会で、教育費にお金がかかるなど子供を産み育てる環境が整っていないことを意味しています。
また、格差社会や急激な経済成長に隠されている問題点が多々あることなど、韓国社会のグレーな部分が浮き彫りになっているようです。
産児制限政策
出典:https://sirabee.com/
少子高齢化問題につながる話題ですが、1970年の韓国では、出生率が4.53もありました。
そのため、人口激増を恐れた韓国政府は、子供を3人以上産んではならないと制限する「産児制限政策」を制定しました。
中国の一人っ子政策は有名ですが、意外と知られていない話かもしれません。
当時の韓国は先進国入りを目指しており、国民1人当たりの所得を増やす必要があると考え、お金を無駄に使わないよう子供の数を制限する方針を打ち出したわけです。
その後、この政策に関係なく韓国経済は大きく発展しましたが、一方で少子高齢化が進む問題が深刻化してしまったようです。
加えて、韓国社会は男尊女卑の傾向が強いので、男の子を望む「男児選好」の夫婦が多いようです。
いびつな社会になると、当然結婚できない男性が多くなり、人口減少に拍車を掛ける羽目に陥りつつあります。
韓国と日本の人口推移を比較
出典:https://seoul-hyakka.com/
上図の韓国の出生率は、2017年1.07、2018年は0.98まで低下しています。
日本の現在の人口は約1億2620万人です。
少子高齢化の社会にいち早く突入した日本ですが、現在の人口は韓国の2倍以上です。
出典:http://www.stat.go.jp/
上のグラフは、日本の総人口の推移です。韓国同様に下向きカーブです。
高齢化による人口減少が著しい日本の出生率は約1.46。
韓国はアジアで出生率が低い国、シンガポールの1.24すらも大きく下回っている状態なのです。
出典:http://3.bp.blogspot.com/
上図は韓国、日本、北朝鮮の出生率グラフです。
北朝鮮の出生率は安定的な数字ですので、韓国政府が北朝鮮と統一国家を持ちたいという野望もなるほどという気がします。
まとめ
出典:https://img.recordchina.co.jp/
韓国の人口推移を日本と比較しながらまとめてみました。
韓国の人口減少や少子高齢化は思った以上に深刻なようで、その要因は若者世代の就職難や格差社会の溝の深さにあると言われています。
人口問題は、国力につながる重要な課題です。
日本は微増ながらも出生率が上がりつつありまするので、より一層の対策で改善し、少子高齢化に悩む国々のお手本となって行けるような政策が望まれます。
日本と韓国の人口問題には、これからも目が離せません!