鮫島事件は2ちゃんねるのスレ発祥

出典：nlab.itmedia.co.jp

 

鮫島事件とは、巨大掲示板・2ちゃんねるのスレ発祥の事件の名前です。

 

その鮫島事件は2001年5月に、初めて2ちゃんねるでスレが立ちました。

 

2001年5月24日午後10時頃、2ちゃんねるのラウンジ板に「伝説の「鮫島スレ」について語ろう」というスレが立ちました。

 

ラウンジ板とは、雑談やネタ話などを緩くするところです。現在で言うと、VIP板のようなところですね。

 

そこで、「伝説の「鮫島スレ」について語ろう」というスレが立ち、最初にこんな書き込みがありました。

 

ここはラウンジでは半ば伝説となった「鮫島スレ」について語る

スレッドです。知らない方も多いと思いますが、2ちゃんねる歴が
長い方は覚えてる人も多いと思います。
かくいう俺も「鮫島スレ」を見てから2ちゃんねるにはまった
ひとりでして、あれを見たときのショックは今でも覚えています。

誰かあのスレ保存してる人いますか？

 

　　　　　　　　　　　　　　　　　— 22世紀を目指す名無しさん（ID:yWtu.nZk）

 

引用：鮫島事件 – Wikipedia

 

このスレ主は、「あの鮫島事件のこと覚えてる？超ショックな事件だったよね。誰か、あのスレ保存してない？」と突然言い出したんです。

 

ということは、鮫島事件は2ちゃんねるでは昔に話題になった事件であり、2ちゃんねるの古参なら知ってる事件ということになります。

 

このスレは注目を集め、「本当にそんな事件あったの？」とか「どんな事件？」などのレスがつく中で、徐々に「それはタブーだ」「鮫島事件に触れるな」のようなレスが付き始めます。

 

そして、「鮫島事件＝タブー」という認識が広がっていきました。

 

そこからさらに、いろいろと情報が追加されていき、鮫島事件は次のような断片的な情報が出るようになりました。

 

 

こんな情報が追加され、噂が噂を呼び、断片的な情報が2ちゃんねるのユーザーの興味を引いて、鮫島事件は2ちゃんねるにおいて、語り継がれるようになったのです。

 

 

鮫島事件の内容とは？

鮫島事件は、2001年5月に「伝説の「鮫島スレ」について語ろう」というスレが2ちゃんねるで立ったことから広がっていきましたが、2005年に2ちゃんねるで詳しい内容が投下されました。

 

ここでは、その内容を要約したものを紹介します。

 

 

鮫島事件はリンチ事件だった！？

 

鮫島事件が起こったのは、実は2ちゃんねるができる前のことで、「あめぞう」という2ちゃんねるのような掲示板がきっかけで起こった事件でした。

 

ちなみに、「鮫島」というのはあめぞう内で裏ビデオを販売していた人物の名前です。

 

鮫島が売っていたビデオの内容は、障害者の女の子「みずき」をレイプし、さらに暴行を加えるなどをして、最終的に殺害するという鬼畜で残虐極まりないものでした。

 

そのうち、あめぞうの掲示板の住人内で「この裏ビデオを撮影しているのは誰だろう？まさか、鮫島が自分で撮影していて、それを撮影しているんじゃないか？」という噂が広まります。

 

そしてスレ住人の正義感に燃えるコテハン「eom」が、「こんな鬼畜ビデオを売っている鮫島を許せない！ヤっちまおう！」と呼びかけ、鮫島を呼び出してオフ会が柏駅前で開かれました。

 

そのオフ会でeomを中心とした参加者は、鮫島をリンチして殺害してしまいます。

 

 

鮫島事件はさらに続きがあります。

 

実は、リンチされて殺された鮫島と思われる男は、鮫島ではなかったんです。殺害された鮫島と思われる男は、調子に乗って「俺が鮫島」と嘘をついてしまった「ニセ鮫島」だったんです。

 

そして、（ニセ）鮫島をリンチする様子はあめぞう内で実況されていたのですが、これを鮫島本人が目撃します。そして、当然ながら本当の鮫島は激怒！

 

激怒した鮫島は、このリンチに参加した人たちを全員特定し、次々に殺していきます。参加者が2人殺された時点で、首謀者のコテハン「eom」は身の危険を感じ、警察に自首しました。

 

 

しかし、警察はまともに取り合わず、捜査しようとはしませんでした。

 

当時はインターネットが関係した殺人事件なんてありませんでした。しかも、裏ビデオ自体がヤバいもの。

 

さらに、それを野放しにしていた掲示板のあめぞうも摘発しなければいけないものの、法整備やらが進んでおらず、どう捜査して良いかわからない状況でした。

 

そして、自首してきたコテハン「eom」もリンチ殺人をして、それを実況している…という当時にとっては、複雑怪奇な事件だったと言えるでしょう。

 

そんな話があるわけない、関わると面倒なことになる、そう考えて、警察は取り合わなかったのかもしれません。

 

 

鮫島事件が隠蔽された理由

 

コテハン「eom」が自首したにも関わらず、警察は詳しく捜査せず、一般的な殺人事件としてeomを逮捕し、事件を処理して捜査終了となり、鮫島事件は闇に葬られることになりました。

 

この鮫島事件がなぜタブーになったのか？それは、次のような理由があるからとされています。

 

 

どれが本当なのかは分かりませんが、このような理由から、鮫島事件はタブー視されて、闇に葬られているのです。

 

 

鮫島事件には孤島説もある

 

鮫島事件の内容が2ちゃんねるのスレで語られたものの中には、孤島説もありましたので、鮫島事件孤島説の内容を要約して紹介します。

 

5人の2ちゃんねらーが、鹿児島沖の孤島である「鮫島」に遊びに行きました。しかし、その5人は消息不明になり、捜索が続けられましたが、発見されることはありませんでした。

 

行方不明になってから半年後、孤島「鮫島」で行方不明になっている5人のうち4人と思われる白骨遺体が発見され、遺族のもとに返されることになりました。

 

5人目の遺体は見つからず、行方不明のままです。

 

そして、そのタイミングで2ちゃんねるに「鮫島にいる」という書き込みがあったんです。

 

当時の2ちゃんねるはレスのIPアドレスで特定することができなかったので、この「鮫島にいる」というレスは、最後の5人目が書き込んだのかどうかは判別することができませんでした。

 

その後、再び鮫島で捜索が行われた時、5人目の遺体が発見されました。

 

5人目の遺体は動物に食い荒らされていましたが、人の手で首を圧迫された後や人の歯型と思われる跡が残っていました。

 

これが鮫島事件の孤島説ですが、リンチ説に比べると、ちょっとリアリティに欠けますね。

 

 

鮫島事件はネタだった？

 

鮫島事件は、2ちゃんねるでスレを立てた本人が「ネタである」と公言しています。

 

そのため、鮫島事件は釣りであり、ただのお遊びでネタだったということになります。

 

しかも、ネタだと公言した人物は、レス番1～30まで全部自分が書き込みしたと告白しており、鮫島事件はあくまでもネタであり、2ちゃんねる住人みんなが釣られたことになるでしょう。

 

実際に、鮫島事件のスレが立てられたのは2001年5月のこと。2ちゃんねるが創設されたのは、その2年前の1999年5月のことです。

 

だから、最初の書き込みにあった「2ちゃんねる歴が長い方は覚えてる人も多いと思います。」という文章はおかしいんです。

 

その時点で、2ちゃんねるができてからまだ2年しか経っていないのですから。

 

 

鮫島事件の本当の真実は？

 

鮫島事件がネタであることはほぼ間違いありません。リンチ事件も孤島事件もなかったんです。

 

では、なぜここまで鮫島事件が広がってしまったのか？

 

それは、一部の人たちは「ネタだとわかりながらも、その時のノリを楽しむ」という感覚で、どんどん不気味でちょっとリアリティがある情報を足していったのでしょう。

 

でも、一部の人たちは、ネタではなく真実と信じ込んでしまい、それを拡散していったものと思われます。

 

 

この2種類の人がいたから、鮫島事件は肉付けされ、拡散し、20年経った今では都市伝説のようになっているのだと思います。

 

鮫島事件は、ある意味「都市伝説はこのように作られていく」というのがよく分かる事件と言い換えられるかもしれませんね。

 

 

鮫島事件は映画化されている

 

2ちゃんねるの都市伝説である鮫島事件ですが、実は映画化されているって知っていますか？

 

2011年8月6日に『2ちゃんねるの呪い　劇場版』という映画が公開され、主演は「アイドリング!!!」の尾島知佳が務めています。

 

都市伝説で2ちゃんねるで語られている鮫島事件というよりも、鮫島事件という名前を使ったホラー映画という感じですが、興味のある人は見てみると良いでしょう。

 

 

まとめ

鮫島事件について、2ちゃんねるでスレが立った発端や詳しい内容、本当の真実などをまとめましたが、いかがでしたか？

 

 

インターネット上で都市伝説の作られ方を見ることができる鮫島事件。

 

最初に遊び心でスレを立てた人は、今どんな気持ちなのでしょうか？

 

自分が思い付きで立てたスレが、鮫島事件として語り継がれているのは、痛快でもあり、怖くもありますよね。