黒沢明監督の『影武者』や大河ドラマ『軍師官兵衛』に出演し名を馳せてきた隆大介さんですが、撮影地で暴行事件を起こした過去があります。
今回は韓国人俳優の隆大介さんの本名や国籍、暴行事件の詳細や2021年の逝去までをまとめました。
この記事の目次
在日韓国人俳優・隆大介の本名などプロフィール
ベテラン個性派俳優・隆大介
隆大介さんは俳優・仲代達矢さんが主催する「無名塾」に一期生として入塾し、1977年の映画『姿三四郎』に、本名の”張明男(チャン・ミョンナム)”で俳優デビューしました。
隆大介さんについての詳しいプロフィールはこちら。
本名: 張 明男
生年月日: 1957年2月14日
国籍: 大韓民国
職業: 俳優
配偶者: あり
所属事務所: ケィ・サイド
引用:Wikipedia – 隆大介
映画『影武者』では織田信長役を務めた
隆大介さんは鋭い眼光が特徴的な強面俳優ですが、黒澤明監督の映画『影武者』では織田信長役を見事に演じ、「ブルーリボン賞新人賞」を受賞しました。
時代劇俳優を中心に多くのドラマ、映画でバイプレーヤーとして活躍してきましたが、酒癖の悪さが祟り、俳優仲間がどんどん離れていったため、もっとも活躍したのは1990年代頃でした。
この酒癖の悪さにより、隆大介さん最大のキャリアとなるはずだった、マーティン・スコセッシ監督の2016年公開のハリウッド映画『沈黙―サイレンス―』の出演をふいにしています。
隆大介さんが同映画のロケ地となった台湾で起こした事件の詳細と、その後の活動の様子について紹介していきましょう。
在日韓国人俳優・隆大介が暴行事件で逮捕され話題に
台湾の桃園国際空港で入境審査官に暴行した隆大介
台湾の大手紙、中国時報によると、隆氏は2015年3月21日18時(日本時間19時)頃に台湾の桃園国際空港に到着。機内では大量の酒を飲み、パスポートを出す際に入域カードが未記入なのを入境審査官に指摘されて逆上した。もみ合いになり、審査官は左足を骨折するなどした。
隆大介さんは桃園国際空港で入境審査官に蹴りを入れて骨折させた際に、周囲には現地テレビのカメラが回っており、焦った様子でカメラを止めるように騒いでいたようです。
しかし、隆大介さんは現地警察に手錠をかけられて身柄を拘束されて、うなだれた様子で連行される様子が捉えられていたようです。
台湾の現地テレビは隆大介さんを「韓国籍の芸能人」として報じましたが、これは隆大介さんのパスポートの国籍を参照したためでした。
在日韓国人俳優・隆大介の事件後① 刑罰~解雇まで
事件直後、拘束中の隆大介に代わり映画製作チームが謝罪と賠償をした
隆大介さんは、暴行事件を起こした日から約1ヶ月後の2015年4月15日に公務執行妨害と傷害容疑で桃園地検から起訴され、5月20日に初公判が開かれました。
隆大介さんは法廷の場で「被害者に大変申し訳なく思い、深く反省しています」と被害者に対して謝罪し、酔っ払っていたため故意によるものではなかった、と情状酌量を求めました。
隆大介さんは懲役4カ月もしくは罰金12万元(約200万円)の判決が下りましたが、5月19日に被害者との和解が成立したため罰金刑となり、7月1日に帰国しました。
そして、帰国したその日に東映マネージメントから契約解除され解雇されています。
隆大介さんはこの暴行事件から3年後の2018年、「日刊ゲンダイ」の取材に応じて当時の心境を告白しましたが、以下のように謝罪の気持ちと事件当時の自身の様子について語っていました。
「今も一番申し訳ないと思うのは、怪我をさせてしまった空港職員の方に対してです。立派に職務を全うしようとした方を、僕はトンでもない目に遭わせてしまった」
(中略)
「その通りです。あの日は一人で台湾に向かったのですが、多忙による睡眠不足で体調を崩していたのに無自覚にも機内食の際にビールを1、2杯飲んでしまい、到着まで爆睡する始末でした。実は空港で足止めされた理由は入国カードを書いていなかったからでした。それを入国審査の際に指摘され、カタコトの英語力で満足なやり取りができず、カッとなって手を出してしまったんです。言い訳のしようがない、120%、私が悪い話。お詫びの言葉もありません」
隆大介さんは、韓国人らしい気性で、非常に感情の起伏が激しい性格をしているそう。
お酒が入ったことで、キャリアに大きく泥を塗る事件を起こしてしまいましたが、当然この不祥事により3年間干されることになってしまいました。
在日韓国人俳優・隆大介の事件後② ネット右翼のバッシング
在日韓国人の隆大介は嫌韓ユーザーの的になった
在日韓国人・朝鮮人の芸能人が事件を起こすと、ネット上では掲示板やSNSでお祭り騒ぎとなります。
隆大介さんが事件を起こしたと報じられた時も、ネット右翼(ネトウヨ)らによるバッシングの嵐となっていたようです。
在日韓国人俳優の隆大介こと張明男が台湾の空港で入国審査官に暴力を振るい、足を骨折させた事件の初公判が台湾で行われた。
— シモンズのぼやき (@Simmons99999) 2015年5月21日
ところが、またしてもテロ朝は、「日本人俳優 隆大介」と国籍と名前を虚偽報道した!
虚偽報道は犯罪だ! pic.twitter.com/Bz8UtnU7hN
在日韓国人俳優の隆大介が、台湾桃園国際空港で酒に酔って、入国審査官のひざを蹴って骨折させた。隆大介こと張明男は現在、拘束中で国外退去ではなく実刑を受ける可能性もあるとの見方もある。日本の各メディアはこの事件に対しては静かすぎますね。当然のように国籍も本名も報道しない。 #通名廃止
— 尖閣太郎 (@senkaku2011) 2015年3月23日
(承前)J-CASTニュースは、台湾メディアの報道を引用する形で、隆大介が在日韓国人である事をきちんと報じていたが、他のマスメディアでその事に触れた記事は全く無かった。犯人の国籍は、報道の基本である5W1Hの1つであるWhoの重要な構成要素だろう。台湾メディアを見習うべきだと思う
— 佐々木 (@WBJPPP) 2015年3月23日
この他にも隆大介さんに対して「祖国へ帰れ」「強制送還しろ」など、ヘイトコメントがネット上に溢れていたようです。
在日韓国人俳優・隆大介の事件後③ 事件後3年間の活動
出典:https://news.yahoo.co.jp/
隆大介は完全に表舞台の仕事を干された
「親が死んでも舞台に立つのが俳優の宿命。製作スケジュールに穴をあけることは、役者として絶対にやってはいけない最悪の罪です。それを犯してしまったことは事件以降毎日頭から離れず、3年間苦悶し続けました。スコセッシ監督はじめ、オーディションに携わってくださったプロデューサー氏、すべての関係者に会って頭を下げたかった。もちろん、そんなもので許されることではありませんが、せめて手紙くらいはと、連絡先が分かる限りの仕事関係者にお詫び状を書きました」
事件後、多忙だった生活は一変し、俳優の仕事も無くなったという。
映画やドラマの仕事を干されてしまったのは自業自得のため仕方ありませんが、長年応援してきたファンにとってはこれほど残念なことは無かったでしょう。
しかし、隆大介さんはまったく仕事がゼロになってしまったわけではなく、Vシネマの世界で脇役として数本の作品に出演していたようです。
とはいえ、生活していくにはあまりに心もとないギャラだったと思います。
しかし、苦境に立たされた隆大介さんに手を差し伸べた人々も少なくなかったようです。
過去に共演した若手俳優が、自身の所属事務所であるケィ・サイドの社長に口利きしてくれ、お世話になることになったそうです。
さらに、事件を起こして迷惑をかけたはずの映画『沈黙―サイレンス―』の助監督が、とある韓国映画に推薦してくれて出演することができたそうです。
在日韓国人俳優・隆大介の復活
叶わないと思っていた映画へ復帰した隆大介
2018年4月7日に公開された映画『私は絶対許さない』で、3年ぶりに映画への復帰を果たすことになりました。
隆大介さんは表舞台を去った3年間苦悩の日々を送っており、映画やドラマの世界で再び脚光を浴びることはないと諦めていたようです。
2017年末に映画『私は絶対許さない』のオファーを受け、その時の感動をインタビューで語っています。
「二度とカメラの前で仕事はできないと思っていましたので、現場で過ごした時間はありえないような夢心地の時間でした」
隆大介さんは2018年4月7日の初日舞台挨拶にも出席して、過去に犯した罪について来場者に心から謝罪していました。
隆大介さんは、この映画に出演できたことを心から感謝していると同時に、過去に犯した暴行事件の罪の意識は消えることはないと語っています。
また、チャンスがあれば俳優として仕事に向き合うことで、社会に貢献していきたいと考えていたようです。
僕のように反社会的なことをしでかした人間が役者を続けていいのだろうか。実は今も答えは出ていません。それでも、一生涯かけて俳優という仕事を謙虚に考え続けるつもりですし、チャンスをいただけるのならば、社会人としてきちんと生きていくしかないんだと思っています
隆大介さんは心から猛省していたようですね。素晴らしい個性を持ったベテラン演技派俳優の復帰を喜ぶ声も多かったようです。
『私は絶対許さない』は凄かった。実話が基とはいえ、連続する急展開は3本分の劇をまとめて観てるよう。突き詰めたリアルは望まなくても物語を帯びてしまうのかと。W主演の平塚千瑛、西川可奈子がちゃんと同一人物になってるのもよかった。そして3年ぶりに役者復帰した隆大介が本当に素晴らしい。 pic.twitter.com/GBtlSWlvoW
— カセット館後藤 (@cassette_kan) 2018年4月7日
たとえば、いままで実写版のブラック・ジャックを演じた俳優の中で、おれはVシネマの隆大介が最高だと思っているのだが、あれを埋もれさせてしまうのは、じつにもったいない。隆大介本人もすでに仕事に復帰していることであるし、盤でもオンデマンドでもいいから、観られるようにしてくれないか。
— 冬樹蛉 Ray Fuyuki (@ray_fyk) 2019年3月13日
在日韓国人俳優・隆大介が頭蓋内出血により死去
出典:https://www.daily.co.jp/
自宅で亡くなっていた隆大介
不祥事を起こすも無事に復帰を果たした隆大介さんでしたが、2021年4月11日頭蓋内出血により亡くなられました。64歳でした。
黒澤明監督の映画「影武者」(1980年)などに出演して活躍した俳優、隆大介(りゅう・だいすけ、本名張明男=ちょう・あきお)さんが、11日に頭蓋内出血のため千葉県内の自宅で死去した。64歳。東京都出身。葬儀は20日に近親者で済ませた。お別れの会の予定はない。
隆大介さんは亡くなる前日である4月10日まで仕事をこなしていたとのこと。12日に打ち合わせに姿を見せなかったため、事務所関係者が13日に自宅を訪問したところ、ベッドの上で亡くなっていた隆さんを発見したそうです。
所属事務所の代表、川端薫氏は隆大介さんのことを「約束は必ず守る情熱的な人、優しい人」と表現しています。不祥事を起こしたり酒癖の悪さを指摘されたりすることもありましたが、律儀で人情に厚い面もあったようです。
川端さんは「海外の連続ドラマや邦画の出演が決まっていた。本人は仕事にかけていた」と悔やみ、人柄については「約束は必ず守る情熱的な人だった。他人に対して優しく、後輩をかわいがる人だった」としのんだ。天国に旅だった隆さんに向けて「ゆっくり休んでほしい」と呼び掛けた。
遺作は2021年秋公開の映画「信虎」となりました。他にも仕事が決まっていた矢先での急逝は、無念としか言いようがありません。隆大介さんのご冥福をお祈りいたします。
隆大介についてのまとめ
時代劇を中心に強面俳優として注目を集めてきた隆大介さんについて、暴行事件とその後や死去について総まとめしてきました。いかがでしたか?
・隆大介は2018年に映画『私は絶対許さない』で3年ぶりに復帰した
・隆大介は2021年に頭蓋内出血により64歳で亡くなった
不祥事を猛省し少しずつ仕事を増やしてきていただけに、亡くなられたことは残念でなりません。
個性的で唯一無二の存在感を放っていた隆大介さん。まだまだ素晴らし演技を拝見したかったですね。
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